被扶養者の要件(認定条件)

健康保険における被扶養者とは、以下の要件のすべてに該当する方を指します。(健康保険法第3条第7項)

  1. 被保険者との続柄が一定の範囲内にあり、かつ、主として被保険者がその生計を維持すること(本ページの「要件1.」)
  2. 原則として日本国内に居住していること(本ページ下部の「要件2.」)

ご家族が健康保険組合から給付を受けるためには、被保険者(社員)から事業所(お勤め先)を通じて健康保険組合に届け出を行い、健康保険組合から被扶養者として認定(扶養認定)を受ける必要があります。認定対象者を健康保険組合に届け出る際、対象者が認定要件を満たしていることを確認できる公的証明書等をあわせてご提出いただく必要があります。
          申請書類一覧>扶養認定
          厚労省事務連絡「日本国内に住所を有する被扶養者の認定事務についてに関するQ&A(Q4)」

要件1.続柄・生計維持要件(生計維持要件は①②両方を満たすこと)

続柄要件

対象となる続柄は下のリンク先「被扶養者になれる人の範囲(条件1)」のとおりです。
          健康保険制度情報>被扶養者になれる人の範囲(条件1)

生計維持要件①:認定対象者の収入要件

認定対象者の年間収入が認定基準額の範囲内である必要があります。
「収入の範囲」や「年間収入の考え方」については、以下のリンクをご参照ください。
          健康保険制度情報>被扶養者になれる人の範囲(条件2 1.収入基準)
          よくある質問>扶養認定について:「収入の範囲」「年間収入」

生計維持要件②:その他の生計維持要件

認定対象者自身の状況や被保険者の関係(続柄・世帯状況)に応じて、「認定対象者の生計を主として被保険者が維持している」かを確認します。以下は、生計維持関係の認定における主な考慮要素となります。

要素1:夫婦共同扶養(共働きで認定対象者を養育している場合、等)

例えば、夫婦が共働きで子である認定対象者を扶養している場合、原則、収入(※)が多い方が「主として認定対象者の生計を維持している」ものとして扱います。
(※)「認定対象者の収入要件」に準じた方法で収入額を確認します。

要素2:優先扶養義務者(認定対象者が被保険者のご両親のいずれかの場合、等)

被扶養者認定を希望している家族に配偶者や両親などの優先扶養義務者(※)がいないこと。
ただし、優先扶養義務者に扶養能力がなく被保険者がその家族を扶養せざるを得ないご事情がある場合は、その事実が確認できる公的証明書等をご提出いただくことで、被保険者の被扶養者として認定することがあります。
(※)優先扶養義務者:認定対象者の配偶者(対象者が母の場合は父)など

要素3:別居の場合における仕送り(被保険者による生計維持のための行為)について

認定対象者が被保険者と同居している場合は、主に認定対象者の収入等をもとに「認定対象者の生計を主として被保険者が維持している」かを認定しますが、認定対象者と被保険者が別居している(同一住所で世帯が異なる場合を含みます。)場合は、認定対象者自身の収入が基準内であるとともに、原則として次の条件をすべて満たす送金をしていることが必要です。

  1. 認定対象者の収入月額より多い金額であること。
  2. 月5万円以上の金額であること。
  3. 被保険者の収入の1/2未満の金額であること。
  4. 定期的(原則として毎月)かつ継続的に送金をしていること。

※下の4点が記載された毎月の送金記録のコピーをご提出いただき送金事実の確認とします。
 ①「依頼人名(被保険者)②「受取人名(被扶養者)」③「金額」④「振込日」

×仕送り(被保険者による生計維持のための行為)として認められないもの
  1. 現金の手渡し
  2. 被保険者名義の預金通帳・キャッシュカード・クレジットカードの手渡し
別居であっても仕送り確認(送金記録の提出)が不要な場合
  1. (会社命令による)被保険者の単身赴任による別居
  2. 認定対象者が被保険者の子で、進学・通学による別居(要学生証コピー)

※上記の場合も、認定対象者の収入要件のチェックは必要となります。

要件2.国内居住要件(原則)・海外居住者への例外要件 等

原則:国内居住要件 等

健康保険制度は日本国内で受ける医療に適用される制度であるため、原則として日本国内に居住している(ことが中期・長期にわたり見込まれる)方が対象となります。そのため、被扶養者として認定されるためには、原則として以下の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 日本国内に居住し、住民登録をしていること
    (ただし、75歳以上の方は後期高齢者医療制度の被保険者となるため被扶養者とはなれません。)
  2. 外国籍の方の場合、在留資格が以下のいずれにも該当しないこと
      ・短期滞在
      ・特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在者及びその配偶者) 
      ・特定活動(医療滞在及びその同伴者)

海外居住者に関する例外要件

原則として上記を満たす方が認定対象となり得ますが、次のような場合は、例外として国内居住者と同様に扱われます。
          厚生労働省通知「被扶養者の国内居住要件等について(第3 3添付書類)」

  1. 海外において留学をする学生
  2. 海外に出向・赴任する被保険者に帯同する家族
  3. 観光、保養またはボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
  4. 海外赴任者が現地で結婚した場合など(配偶者および子に限る)で、2.と同等と認められる場合

※いずれの場合も国籍は問わず、被保険者により生計が維持されている(本ページ上部の要件1.を満たす)ことが必要です。
※帯同家族や現地で結婚した場合の家族は被保険者が日本に赴任の際、帯同して帰国することが前提です。
          関連する健康保険制度情報:海外で医療を受けたとき(海外療養費)